東京都台東区にて展覧会「ミラクルエッシャー展」が開催中です。

6月6日（水）より上野の森美術館（東京都台東区）にて特別展「ミラクルエッシャー展」が開催しています。

生誕120年イスラエル博物館所蔵ミラクルエッシャー展

会場：上野の森美術館（東京都台東区上野公園1-2）
会期：2018 年6 月6 日(水) ～7 月29 日(日)
休館日：会期中無休
開館時間：10:00～17:00　毎週金曜日は20:00まで（最終入館は閉館の30 分前まで）
入館料：一般1600円　高校・大学生1200円　小・中学生600円

20世紀を代表するオランダの版画家で「視覚の魔術師」とも称されており、だまし絵（トロンプ・ルイユ）の分野で世界中一の知名度を誇るマウリッツ・コルネリス・エッシャー（M.C.エッシャー）。
1898年にオランダのレーワルデンに生まれ、土木技術者の父の勧めから建築装飾学校に進学しドローイングやウッドカットを学び、主に風景画を中心に作品を制作していきます。卒業後にスペインのグラナダを訪れた際に見たアルハンブラ宮殿の幾何学模様建築やモスクのタイル壁はエッシャーのその後の作品に大きく影響したとされています。

建築不可能な構造物や無限回廊、幾何学的なだまし絵など不可能図形・無限空間・透視図・シンメトリー・双曲幾何学線といった数学的手法を用いた唯一無二の技法で独創的な作品を制作していきますが、それまでの版画家や画家が制作してきたものとは大きく異なり、当初は美術界では異端児とされエッシャーの作品はあまり評価されずにいました。しかし彼の作品は数学者や科学者、心理学者など他分野の人々から注目され、1960年代になると学生や若者をはじめ熱狂的な支持を集めていくこととなります。

晩年になると病に冒され2度の大手術を受けていますが創作意欲は衰えず、1969年に最後の作品となる『蛇』を制作します。生涯最後の2年間は養老院で送り、1972年3月73歳でこの世を去りました。
エッシャーの作品や技法は美術界だけでなく数学者やクリエーターなど幅広い分野の人へ影響を与えたとされています。今もなお根強い人気を誇り、世界中の人々を魅了し続けています。

幅約4ⅿの超大作「メタモルフォーゼⅡ」他、日本初公開の「だまし絵」集結！

東京で約12年振りの大規模展覧会の開催となる、エッシャーの生誕120周年を記念した展覧会「ミラクルエッシャー展」では、８つのキーワード「科学」「聖書」「風景」「人物」「広告」「技法」「反射」「錯視」からエッシャーの作品に迫ります。どのようにしてエッシャーは作品を生み出したのか、この8つの観点からその謎を紐解いていきます。
代表的な作品だけでなく初期の作品や木版・直筆のドローイングなど、世界最大級と言われるエッシャーコレクションを誇るイスラエル博物館の所蔵する貴重なコレクション約150点が展示されます。

〈展示作品〉
「メタモルフォーゼⅡ」1939～1940年
「対照（秩序と混沌）」1950年
「バベルの塔」1928年
「カストロヴァルヴァ、アブルッツィ地方」1930年
「椅子に座っている自画像」1920年
「オランダ蔵書票協会（ハーグ）のための年賀状（グリーティングカード）」1946年
「眼」1946年
「球面鏡のある静物」1934年
「発展Ⅱ」1939年　　　ほか

またお笑い芸人としてだけでなく脚本・役者・ナレーションなど様々な分野で活躍しているバカリズムさんが展覧会ナビゲーター（音声ガイド）を務めており、エッシャーの世界へ誘います。
◆音声ガイド貸出料金：550円（税込）※お一人様1台につき

さらには図録やオランダのエッシャー財団オリジナルグッズの他、チョコレートブランド「マックスブレナー」、ボディケアブランド「SABON」などイスラエル発祥のブランドとコラボレーションして本展ならではのグッズが多数取り揃えられています。