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東京都港区にて展覧会「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」が開催されます。

2月14日(水)より国立新美術館(東京都港区六本木)にて特別展「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」が開催されます。

至上の印象派展 ビュールレ・コレクション

会場:国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)
会期:2月14日(水)~5月7日(月)
休館日:火曜日(5月1日は除く)
開館時間:10:00~18:00(金・土、GWは20:00まで)
※最終入館は閉館30分前
入館料:一般1,600円 大学生1,200円 高校生800円
※中学生以下無料

印象派とは19世紀後半のフランスで生まれた芸術運動のことであり、その芸術家の一派を指します。17世紀以降、フランスではデッサンと形を重視した新古典主義(新古典派)が中心であり、芸術アカデミーでは歴史・神話・聖書を描いた「歴史画」が高く評価され、風景画や静物画は軽んじられていました。しかし19世紀に入るとロマン主義・写実主義・バルビゾン派などが台頭してきます。ロマン主義や写実主義の画家は同時代の出来事・社会に感情移入し、特に写実主義は自然そのままの姿を忠実に描こうとしました。また、バルビゾン派の画家はフランス国内の森や渓谷、田園風景などを題材とした自然主義的な風景画や農民画を写実的に描きました。これらの画家が印象派の先駆けとなります。

1860年代初め、ピエール=オーギュスト・ルノワールやクロード・モネ、フレデリック・バジール、アルフレッド・シスレーといった4人の画家は、アカデミーの影響を受けながらも自由な教育方針をとった画家シャルル・グレールの画塾で出会い、歴史的・神話的な情景よりも風景や日常を描きたいという興味が共通していることを知ります。そして19世紀の初めから使えるようになった化学合成の顔料によって写実主義やバルビゾン派よりも明るい絵を描き始め、さらに19世紀半ばに登場したチューブ入り絵の具を活用して戸外という自然の陽光を感じられる場所で周囲の光や空気の変化を忠実に捉えようとしました。つまり印象派の画家たちが描きたかったものは、描く対象の輪郭や固有の色といった普遍的なものではなく、その時その場でしか捉えることのできない刹那的なものでした。
しかし、そうして描かれた印象派の画家たちの作品はフランス唯一の展覧会である「サロン」の審査会で落選します。サロンへの入選は当時の画家たちにとって生き残るための手段であり、落選した画家は地位や名誉を失いました。特に1863年のサロンは落選作品が3000点以上と異様に多く、画家たちの不満を受けて落選作品を見た皇帝ナポレオン3世(シャルル・ルイ=ナポレオン・ボナパルト)は落選展開催の許可を出しました。その後も再度の落選展を求める嘆願が芸術家たちからなされますが拒否。それに対して1873年、モネやルノワール、シスレー、ピサロ、セザンヌ、 エドガー・ドガ、ベルト・モリゾといった印象派の画家たちは「画家、彫刻家、版画家等の芸術家の共同出資会社」を組織し、自分たちの作品を展示する場を独自に作ろうとしました。そうして開催された展覧会は、のちに第1回印象派展と呼ばれるようになります。なお、この展覧会は社会に全く受け入れられず、このときに展示されたモネの作品『印象・日の出』を版画家ルイ・ルロワが風刺新聞にて「印象派の展覧会」と批判したことが「印象派」という名前が生まれるきっかけとなりました。

現在、印象派といわれる画家にはクロード・モネ、カミーユ・ピサロ、エドガー・ドガ、ポール・セザンヌ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、ベルト・モリゾ、ギュスターヴ・カイユボットなどがいます。なかでもモネ、シスレー、モリゾ、ピサロは日光やその反射を受けて目に映る「印象」をキャンバスに再現することを追求したため、「最も純粋な」印象派と評されています。一方、色彩よりも描画を優先したドガは戸外での制作活動にはあまり価値を見出さず、セザンヌは第3回印象派展(1877年)を最後に印象派から離れ、ルノワールも1880年代に一時的に離れたのちは印象派の考えに全面的に賛同することはなくなりました。シスレーやモネも、サロンに出展するために印象派展に出展するのをやめてしまい、最終的に1886年に開催された第8回展が最後となりました。
当時は嘲笑・酷評された印象派ですが、のちに印象派の絵は価格が高騰し、各国の美術館や収集家が競って欲しがる宝物へとなっていきます。これはアカデミーの権威を失墜させることにもなり、印象派に続く画家たちに対しても、「世に迎え入れられなくても革新的な方法を追求する」ための勇気を与えました。新印象派・ポスト印象派・キュビズム(立体派)・フォービズム(野獣派)といった芸術運動への先駆けにもなっています。

モネの最高傑作ほか、出品作のおよそ半数が日本初公開!

国立新美術館で開催される企画展「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」は、スイスのチューリッヒにある印象派の美術館「ビュールレ・コレクション」(元ビュールレ邸宅の別棟)に所蔵されているコレクションを展示する特別展です、。スイスの実業家エミール・ゲオルク・ビュールレが1937年から1956年にかけて収集した世界有数の個人コレクションであり、マネ、ルノワール、ファン・ゴッホ、ゴーギャン、モネ、セザンヌ、ピカソ、ドガ、マティス、ウジェーヌ・ドラクロワなどの傑作が数多く含まれています。スイス国外でコレクションがまとまって公開されたのは過去に数回のみであり、日本で公開されたのは平成2年(1990)から開催されたビュールレ生誕100周年記念の世界巡回展のみです。よって今回が日本では2度目の公開となりますが、2020年に「ビュールレ・コレクション」が閉館、全コレクションがスイス最大規模の美術館であるチューリッヒ美術館に移管されて新館で展示されることになるため、これがビュールレのコレクターとしての全体像がみられる最後の機会となります。

特別展「至上の印象派展 ビュールレ・コレクション」は、「肖像画」「ヨーロッパの都市」「19世紀のフランス絵画」「印象派の風景 マネ、モネ、ピサロ、シスレー」「印象派の人物 ドガとルノワール」「ポール・セザンヌ」「フィンセント・ファン・ゴッホ」「20世紀初頭のフランス」「モダン・アート」の全9章で構成され、今回出品される作品約60点うち、およそ半数は日本初公開となる作品です。なかでも、これまでスイス国外には一度も出たことがなく門外不出といわれたモネの最高傑作「睡蓮の池、緑の反映」、印象派の中でも人気の高いルノワールの最高傑作であり絵画史上最も有名な少女像ともいわれる「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」やセザンヌの「赤いチョッキの少年」は注目度の高い作品となっています。

〈展示作品〉
ピエール=オーギュスト・ルノワール「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)」
ポール・セザンヌ「赤いチョッキの少年」
アントーニオ・カナール「サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂、ヴェネツィア」
クロード・モネ「睡蓮の池、緑の反映」「ジヴェルニーのモネの庭」「陽を浴びるウォータールー橋、ロンドン」
カミーユ・ピサロ「ルーヴシエンヌの雪道」
エドゥアール・マネ「ベルヴュの庭の隅」
フィンセント・ファン・ゴッホ「日没を背に種まく人」「花咲くマロニエの枝」  ほか

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