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パウル・クレー展 旅のシンフォニーほか美術関係の古本買取致します

愛書館中川書房では『パウル・クレー展 旅のシンフォニー』ほか、美術関係の古本を買取りしております。

パウル・クレー展 旅のシンフォニー
書名:パウル・クレー展 旅のシンフォニー
著者:長門佐季他編
出版社:中日新聞社
発行年:平成14年(2002)発行

スイス出身の画家であるパウル・クレー(1879年-1940年)は、世界中で広く親しまれている画家であり、日本にも多くの愛好家がいます。音楽一家に生まれたパウル・クレーは幼少期から絵画や文学にも興味を持ち、18歳の頃から書き始めた日記には日常の出来事や詩だけでなく彼の絵画や芸術に対する考えも記されました。
1900年にパリと並んで芸術の都であったドイツのミュンヘンにあるミュンヘン美術学院に入学したパウル・クレーは、象徴主義の大家であり「芸術家の王様」とも呼ばれたドイツの画家フランツ・フォン・シュトゥックの指導を受けます。しかし学校の教育方針が合わなかったため翌年に退学、その後はイタリア旅行を通してルネサンスやバロックの絵画・建築について学びました。1906年以降ミュンヘン分離派展に銅版画を出品していたパウル・クレーは、ワシリー・カンディンスキー(同じくミュンヘン美術学院への在籍歴があり分離派展への出品経験をもつ)、フランツ・マルク(ミュンヘン美術学院を退学後にカンディンスキー率いる新ミュンヘン美術家協会の展覧会を観て感動しともに芸術年刊誌『青騎士』を創刊した)と知り合います。「青騎士」グループの芸術理論に共感したパウル・クレーは『青騎士』編集部による企画展である「青騎士」展に第1回から出品し、彼らとの交友を深めていきます。しかし「青騎士」は創刊から約3年後に勃発した第一次世界大戦によってメンバーが散り散りになってしまい、その終焉を余儀なくされました。
一方、パウル・クレーは第一次世界大戦が勃発する1914年の春から夏にかけてのチュニジア旅行によって鮮やかな色彩に目覚め、現在彼の代表作として語られているような色彩豊かな作品が生み出される転機となりました。抽象絵画を描くようになるのもこのころからであり、作品の表現の幅が一気に広がった時期でもあります。そして自身も従軍した1916年から1918年頃には新進の画家として評価されるようになり、1919年にはミュンヘンの画商と契約を結び、翌年にはその画商の協力により大回顧展が開催されます。その後はモダニズムを代表するドイツの建築家ヴァルター・グロピウスからバウハウス(美術と建築の教育を行ったドイツの学校)へと招かれ教鞭をとり、パリやニューヨークで個展が開催されるなど、現代美術の最前線に位置する画家の一人として世界的に知られるようになりました。バウハウスを退職したのちはデュッセルドルフの美術学校の教授をしますが、ナチス政権が成立したことで前衛芸術の弾圧が行われ、パウル・クレーは生まれ故郷であるスペインへ亡命することになります。亡命直後は作品数が激減しますがのちに回復し、1939年にはデッサンなどを含めて1253点の作品を制作しました。そして翌年の1940年、ロカルノ近郊のサンタニェーゼ療養所で亡くなりました。

独特の作風を持つパウル・クレーの作品は、美術愛好家の方から人気です

パウル・クレーの代表作には「R荘」「女の館」「階段の上の子供」「あやつり人形劇場」「幻想喜歌劇「船乗り」から格闘の場面」「黄色い鳥のいる風景」「死と炎」「忘れっぽい天使」「花の神話」「ホフマンへの話」「私の部屋」などがあります。パウル・クレーは10代の頃から故郷であるベルンの町やアルプスの山岳地帯を散策し、活動の拠点をミュンヘンへと移してからもイタリアやフランスなどのヨーロッパ各国やアフリカのチュニジアやエジプトなどへ旅行し、旅先で様々な刺激を受けて作品へ反映させてきました。また、空想上の土地や死後の世界などについても思いを巡らせていたといいます。また、各国に残る美術や建築に触れることで、その造形や色彩といった絵画理論にも興味を持ち、『創造的信条告白』を執筆するなど美術理論家としても活動しました。なお、パウル・クレーの作品は息子のフェリックスが「パウル・クレー財団」を設立してスイスに残る作品の保存に尽力しており、2005年6月には故郷であるベルンに「ツェントルム・パウル・クレー」(パウル・クレー・センター)が開館しました。こちらには彼の偉業の集大成ともいえる約4000点の作品が収蔵されています。

『パウル・クレー展 旅のシンフォニー』は2002年に全国各地で開催された「パウル・クレー展」の図録(カタログ)です。この展覧会ではパウル・クレーの生涯を「海が呼んだ旅のはじまり」「光の探求と色彩の発見」「まだ地図にない<国>をめぐる」「散歩する線がみたもの」「生と死の水平線のむこう」「おわりの旅は小舟にのって」という旅の順序に見立て、彼の旅と作品のかかわりを追いました。旅の途上で残されたスケッチや水彩、旅で得た題材をもとに構成された作品、またパウル・クレーの内心に抱えられた旅の思い出によって生み出されたさまざまな作品が約160点のほか、絵葉書や旅に携えた資料、旅先で撮影された写真も展示されました。『パウル・クレー展 旅のシンフォニー』ではそれらの図版のほか、パウル・クレーの年譜や文献目録、展覧会の出品リストなどが掲載されています。

パウル・クレーほか、西洋美術関係の古本を買取強化中!

愛書館中川書房では『PAUL KLEE 全9冊』『パウル・クレー Pedagogical Sketchbook』『バウハウス叢書 全16冊』『造形思考 全2冊』『英文教育学的スケッチブック』などのパウル・クレーに関する古本、『定本 カンディンスキー 人と作品』『カンディンスキー全油彩総目録 全2冊』『芸術における精神的なもの』など青騎士ほか美術に関する古本の出張買取を承っております。お手元に気になる本がありましたらお気軽にご相談ください。
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カテゴリ:取扱書籍 > 美術・建築・写真など

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