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声のメモワール 寺山修司ほか、演劇・文学・美術の古書を買取ります

愛書館中川書房では『声のメモワール』寺山修司ほか、演劇・文学・美術関係の古書を買取りしております。


書名:声のメモワール 演劇はスキャンダル
著者:寺山修司、宇野亜喜良ジャケットイラスト
出版社:新潮社
発行年:平成1年(1989)発行

寺山修司は短歌・戯曲・俳句・詩・作詞・映画・脚本・評論など膨大な量の文芸作品を発表したことで有名な昭和期の歌人・劇作家です。昭和24年(1949)中学2年生のときに後に俳人となる京武久美と友人となったことで俳句へ熱中し、文芸部で俳句・詩・童話などを作りました。高校在学中には俳句雑誌『牧羊神』を創刊したり全国学生俳句会議を結成して俳句改革運動を全国に呼び掛けるなど精力的に活動していきました。早稲田大学教育学部国文学科(現在の国語国文学科)に進学したのちは戦後の代表的な女性歌人の1人である中城ふみ子の影響から短歌を作り始め、早稲田大学短歌会などで歌人として活動して短歌研究社が主催する短歌の新人賞「第2回短歌研究50首詠」を受賞します。しかし腎臓を患ったことで長期の入院を余儀なくされ、入学から1年足らずで退学することになりました。
しかしその入院期間中には、早稲田大学大隈記念講堂「緑の詩祭」で上演された処女戯曲『忘れた領分』を観劇したことをきっかけに寺山修司の見舞いに訪れた谷川俊太郎との交際が始まり、その後の寺山修司は谷川俊太郎の勧めでラジオドラマを書き始めるなど交友を深めていきます。若くして亡くなった寺山修司の葬儀委員長を務めたのも谷川俊太郎であり、死の直前まで谷川俊太郎とはビデオレターを交わすなど、生涯にわたる友となりました。
退院後の寺山修司は昭和32年(1957)に作品集『われに五月を』、翌年には歌集『空には本』を刊行します。昭和35年(1960)には「劇団四季」にて戯曲『血は立ったまま眠っている』が上映、その後は高校生など若い才能の発掘を行ったり少女向け詩集レーベル「フォアレディース」を編むなど「青少年のカリスマ」として活躍していきます。
昭和42年(1967)には寺山自身を主宰とした劇団「天井桟敷」を結成し、『青森県のせむし男』『大山デブコの犯罪』『毛皮のマリー』が上演されます。「天井桟敷」は「演劇実験室」を標榜した劇団であり、アングラ四天王と呼ばれるなど1960年代後半から1970年半ばにかけて小劇場ブームを巻き起こしました。「天井桟敷」結成と同年には評論集『書を捨てよ、町へ出よう』が刊行、翌年には「ハイティーン詩集 書を捨てよ町へ出よう」として「天井桟敷」で上演されます。昭和46年(1971年)には『書を捨てよ、町へ出よう』が劇映画になりイタリアで開催されるサンレモ映画祭でグランプリを獲得、以後は『人力飛行機ソロモン』『邪宗門』の海外公演がフランスやドイツで行われました。昭和49年(1974)には映画『田園に死す』が公開され文化庁芸術祭奨励新人賞と芸術選奨新人賞を受賞しますが、その翌年には市街劇『ノック』が警察沙汰になり、昭和55年(1980)には取材中の住居侵入で略式起訴されるなどの問題も起こしました。その頃には肝硬変で入院するなど体調も崩しており、昭和58年(1983)に腹膜炎を併発し、敗血症によって47歳という若さで亡くなりました。

寺山修司には没後30年以上経った今でも根強いファンがいます

寺山修司の有名な歌集・詩集・句集には『われに五月を』『はだしの恋唄』『空には本』『血と麦』『ひとりぼっちのあなたに』『田園に死す』『わが金枝篇』『花粉航海』、随筆・評論には『戦後詩』『書を捨てよ、町へ出よう』『馬敗れて草原あり』、長編小説には『あゝ、荒野』などがあります。舞台作品や映画作品でも『書を捨てよ町へ出よう』『田園に死す』といった寺山修司が自身の作品を原作とし監督・脚本などをつとめた作品のほか、泉鏡花の同名小説をもとにした『草迷宮』、美輪明宏のために書いた『毛皮のマリー』、『邪宗門』『犬神』『奴婢訓』などが有名です。

『声のメモワール 演劇はスキャンダル』は寺山修司の遺された声をもとに構成されたアンソロジーが収録されたカセットテープです。昭和54年(1979)に収録された寺山修司自身による自作短歌9首の朗読、死の直前である昭和58年(1983)に収録された「天井桟敷」の歩みと自らの演劇観を語った記録、昭和53年(1978)に「竹林講座」で語った演劇状況についてや競馬・遊び・親に関する話などが収められています。
なお、『声のメモワール 演劇はスキャンダル』のジャケットイラストを担当した宇野亜喜良は寺山修司の舞台や宣伝美術を手がけたことでも有名な挿絵画家・グラフィックデザイナーであり、寺山修司の文芸作品では『絵本千一夜物語』『人魚姫・王様の耳はロバの耳』『ひとりぼっちのあなたに』『寺山修司青春作品集』などの挿絵・表紙・装幀などに携わりました。

書名:絵本 千一夜物語
著者:寺山修司、宇野亜喜良イラスト
出版社:新書館
発行年:昭和44年(1969)発行

『絵本千一夜物語』は寺山修司が説話集『千一夜物語』(別名アラビアンナイト)を原典とし、現代の東京(新宿歌舞伎町)を舞台とした異色の小説となっています。華麗な言葉で描かれた寺山修司独自の千一夜の幻想と魔術の世界を感じることのできる作品です。

寺山修司の文芸作品や演劇関係の古本を買取強化中!

愛書館中川書房では『空には本』(的場書房)や『血と麦』(白玉書房)、『はだしの恋唄』(的場書房)など寺山修司の歌集・句集・詩集の初版本・署名本(サイン本)・限定本や草稿・書簡・絵葉書、『幻想舞台写真帖 天井桟敷の人々』ほか天井桟敷に関する古本や公演に関するポスター・チラシ・パンフレットなどの紙ものの出張買取を承っております。
寺山修司以外にも『日本現代演劇史 全8冊』『まぼろし劇場 大人の紙芝居』『築地小劇場検閲上演台本集』『小林一三の昭和演劇史』など演劇に関する古本も出張買取の対象となります(内容・量・地域によっては買取りができない場合があります)。お手元に気になる本がありましたらお気軽にご相談ください。
【古本出張買取専用フリーダイヤル 0120-489-544】

カテゴリ:取扱書籍 > 美術・建築・写真など

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