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教育思想とデカルト哲学ほか、哲学・思想の古書・古本を買取します

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教育思想とデカルト哲学 ~ハートリブ・サークル知の連関~
書名:教育思想とデカルト哲学 ハートリブ・サークル知の連関
著者:相馬伸一
出版社:ミネルヴァ書房
発行年:平成13年(2001)発行

合理主義・近代哲学の祖として知られるルネ・デカルトは、1596年にフランス中西部に位置するラ・エーという町で生まれました。ブルターニュの高等法院評定官であった父を持ち、10歳のときにイエズス会(カトリック教会の男子修道会)の学校であるラ・フレーシュ学院に入学します。デカルトは学院において従順で優秀な生徒であり、論理学・形而上学・自然学などの学院で教えられていた学問だけでなく占星術や魔術などにも興味を持ち、在学中には多くの書物を読みました。なかでも数学を好んでいたデカルトは、神学・スコラ学の非厳密性や蓋然性とそれらを基礎にして述べられる学院の知識について懐疑が生まれていきます。なお、デカルトは学院生活において「音響学の父」とも呼ばれる神学者マラン・メルセンヌと知り合い、終生の友人となりました。そして18歳で学院を卒業したのち、ポワティエ大学で法学・医学を修めて法学士の学位を受けました。
卒業後のデカルトはヨーロッパ各地を遍歴します。自然科学者との交流を求めてオランダへ赴きマウリッツ・ファン・ナッサウの軍隊へ加わり、オランダ国境の要塞都市ブレダでコペルニクスの支持者でもあり幅広い知識をもつイザーク・ベークマンと出会い、三十年戦争に参加するためにドイツへ赴いてバイエルン公マクシミリアン1世の軍隊に入り、その後はヴェネツィアやローマを渡り歩きました。処女作『音楽提要』はこの遍歴時代に執筆されました。そうしてパリに落ち着いたデカルトは友人であるメルセンヌや当時亡命中であったホッブズ、ピエール・ガッサンディなどの哲学者ほか様々な学者との交友を深めていきます。そして公衆の面前で自身の哲学に関する構想を述べる機会を得たデカルトは、その場にいた枢機卿の勧めをうけて研究に力を入れることになります。
「孤独な隠れた生活」を送るためにオランダに移住したデカルトは『精神指導の規則』と『世界論』を執筆しますが、『精神指導の規則』は未完となり、地動説を事実上認める内容を含んでいた『世界論』はガリレオ・ガリレイの地動説がローマの異端審問所から破棄を求めた事件が起きたため公刊が断念されました。その後は神学教授ヴォエティウスによって「無神論を広める思想家」として非難を受けますがデカルトへの評判は高まっていき、『方法序説』『省察』『哲学原理』『情念論』などを公刊しました。そして1649年、スウェーデン女王クリスティーナの招きを受けてストックホルムへ赴き翌年から女王に向けて講義を行いましたが、2月に風邪をこじらせて肺炎を併発してしまい史記しました。その遺体はスウェーデンに埋葬されましたが、のちにフランスへ移されました。

「近代哲学の祖」デカルトの著作や専門書は、研究者の方から需要があります

デカルトは、哲学の成果とは形而上学や自然学などに属する医学・機械学・数学・道徳といった諸々の学問から得られるものであると考えており、歴史学や文献学などの明晰判明ではない人文学系の学問は哲学体系の対象外として扱いました。そして「明証」「分析」「総合」「枚挙・吟味」の4つを哲学を研究する上で重要な規則であると定めます。
またデカルトは方法的懐疑(積極的懐疑)を心がけており、「自分を含めた世界全てが虚偽だとしても、そのように疑っている意識作用が確実であるならば、そのように意識している我だけはその存在を疑い得ない」という考えは、『方法序説』『省察』『哲学原理』『真理の探究』などで語られている「我思う、ゆえに我あり」という有名な命題につながりっています。そうして全てを疑ったデカルトは、神の存在証明や心身合一の問題に取り組んでおり、また自然哲学においては「慣性の法則」「運動量保存則」「渦動説」などを提唱、数学では平面上の座標の概念を確立したことでのちの解析幾何学の発展の基礎が築かれました。これらに関する論はデカルトの著作である『音楽提要』『精神指導の規則』『世界論』『方法序説』『省察』『哲学の原理』『人間論』『情念論』に記されています。

『教育思想とデカルト哲学 ハートリブ・サークル知の連関』は近代哲学の祖であるデカルト、教育思想家デュアリ、教育学者ヨハネス・アモス・コメニウスの邂逅に焦点を当て、近代教育思想の哲学的特質を明らかにすることを目的として記された作品です。「教育思想の形成基盤としての啓発の共同体」「デュアリの教育思想における哲学的基盤」「コメニウスの教育思想における哲学的基盤」「デカルト哲学と17世紀教育思想」を各章の主題として挙げています。イギリスの教育改革家ハートリブを中心として生まれたハートリブ・サークル、現存する最古の科学学会である王立協会、中世から存在されるといわれる秘密結社の薔薇十字団といった共同体との関係、解釈学や心理学を踏まえて語られる3人それぞれの教授論や学習論などについて記されており、17世紀のヨーロッパにおいて「教育」がどのように考えられていたのかを知ることができます。また、巻末には人名・書名・地名・事項それぞれの索引のほか、関係している場所の地図や主要な引用文献、関係略年表などが付されており、教育に関する研究に役立つ1冊です。

ルネ・デカルトほか、思想・哲学関係の古本買取強化中!

愛書館中川書房では『世界大思想全集 全69冊』『中世思想原典集成 全21冊』『科学の名著 全21冊』『デカルト著作集 全4冊』『西欧文学哲人と文章美』『デカルトの精神と代数幾何』などのデカルトほか思想・哲学に関する古本の出張買取を承っております。お手元に気になる本がありましたらお気軽にご相談ください。
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カテゴリ:取扱書籍 > 思想・哲学など

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