自然界の非対称性ほか、自然科学関係の古本買取いたします。

愛書館中川書房では、『自然界の非対称性』ほか自然科学関係の古本を買取りしております。

書名：自然界の非対称性～生命から宇宙まで～
著者：フランク・クロース／はやしまさる訳
出版社：紀伊国屋書店
発行年：平成14年（2002）発行

自然科学の学術書は一般の方から研究者まで需要があります

自然現象を論理的に説明しようとする自然科学の営みは古代ギリシャ、古代インドから始まっています。この頃にはすでに、物質は最小単位の原子から成るという原子論、物理学における「てこの原理」などが発見されました。また、宇宙の観察も進められ、地球が太陽の周りを回っているという地動説も考えられていました。

「科学の父」と呼ばれるタレスに始まり、四元素論を唱えたアリストテレスなど、古代科学の知見の多くは哲学者たちによって築かれていきます。ヨーロッパでは11世紀の十字軍遠征を経て、アラビア数学やイスラム世界の哲学が伝えられたことから科学の研究が始まります。

キリスト教神学者たちはアリストテレス物理学を聖書の記述と矛盾しない範囲で取り入れ、スコラ哲学を発展させました。17世紀には数学者ガリレオ・ガリレイやルネ・デカルトらによって力学に関する研究が進められ、実験によって一般的な運動法則を導き、数学的に記述する手法が確立されます。つづいてアイザック・ニュートンによって、身の回りの現象だけでなく宇宙すべての運動が一つの数式で表せることが証明されました。

ニュートンが発見した原理によって大きく進歩した物理学は、熱力学や電磁気学などへと応用されていきました。また、徐々にスコラ哲学などの宗教的な世界観にもとづいた解釈は退けられ、数理的な手法が受け入れられるようになります。

一方、初期の化学の研究はイスラム教の思想家・化学者たちによって錬金術とともに発展しました。古代から明らかにされていた金、銀、鉛などに加え、錬金術師たちによって亜鉛、砒素、ビスマス、アンチモン、18世紀には気体の研究が進められ、酸素、水素、窒素、塩素などの存在が明らかになります。19世紀、電気分解による実験が可能になると、ナトリウム、カルシウム、カリウムなど数多くの元素が知られるようになります。こうして発見された55種の元素の間に法則を見出し、原子量の小さい順に並べた周期表も作られました。

20世紀には原子よりも小さい電子が発見されます。長い研究の歴史を経て、私たちの身の回りの物質を構成している分子・原子が中性子・素粒子といったより小さな粒子から成るということも明らかになりました。原子の構造が明らかにされたことでマリー・キュリーらによって放射線の研究が進むと、原子力など新しいエネルギーの研究も始まります。

1905年にはアインシュタインが相対性理論を発表したことで、物理学史に革新がもたらされました。これまで一定だと考えられていた時間や長さが、運動する観測者によって異なるという考え方が生まれたのです。アインシュタインの理論は宇宙空間の歪みやビッグバン説にもつながり、その後の宇宙物理学を大きく発展させました。宇宙開発のテクノロジーの進歩とともに、地球の重力は何のために存在しているのか、地球以外の惑星における生命の可能性、なぜ地球には生命が生まれたのか、どのように宇宙が作られたのかという究極的な問いにも少しずつ近づいています。

『自然界の非対称性』は、さまざまな自然現象を対称・非対称というユニークな視点から分析した本です。著者はイギリスの物理学者クロース・フランクです。私たちの体の組織から宇宙に潜む非対称性に注目し、その起源や構造について記述しています。

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