『万葉集全講』など日本古典文学関係の古本を出張買取致しました

『万葉集全講全3冊』『新編日本古典文学全集全88冊』ほか日本古典文学に関する古本を出張にて買取りさせていただきました。冊数の多い全集を揃った状態でお譲りくださり、誠にありがとうございました。
文学書に限らず全集やシリーズものはバラでの買取りは難しくなりますので、全巻揃った状態での売却をお願いしております。

出張買取
2017年6月5日

地　域	東京昭島市
近隣駅	西立川駅／東中神駅
買取分野	学術専門書国文学 --国文学・日本文学・言語学

【商品詳細】

書　名：万葉集全講全3冊
著　者：武田祐吉
出版社：明治書院
発行年：平成3年（1991）

書名：新編日本古典文学全集全88冊
出版社：小学館
発行年：平成2年（1994）

書名：日本古典文学影印叢刊第1・2期全32冊
著者：日本古典文学会編
出版社：日本古典文学会
発行年：昭和53年（1978）

文学全集は愛好家や研究者から人気があります

日本古典文学は成立した時代によって上代文学（飛鳥・奈良時代）、中古文学（平安時代）、中世文学（鎌倉・室町・安土桃山時代）、近世文学（江戸時代）の4つに分けられます。
上代文学では日本最古の歴史書『古事記』と現存する最初の正史『日本書紀』が神代の話（神話）も記されていることから、文学作品としても評価されているほか、日本に現存する最古の漢詩集『懐風藻』、同じく最古の和歌集『万葉集』があります。当時は遣隋使・遣唐使が中国大陸に派遣されていたため、そこから文化的な影響を大きく受けていました。特に嵯峨天皇（平安時代初期）は唐風文化をこよなく愛していたため、その御代と上皇時代は国風暗黒時代ともいわれています。
そして嵯峨上皇の死後、10世紀の初め頃から11世紀の摂関政治期には中古文学に多大な影響を与えた国風文化が栄えました。中古では女性の感性が大切にされ、その趣味嗜好が色濃く反映された『枕草子』『源氏物語』といった古典文学の代表作が生まれています。しかし王朝文化の華やかさも永遠には続かず、貴族の摂関政治が衰えて院政へと向かう頃からは末法思想（釈迦の教えだけが残り、行や悟りがなくなる時代が来る）が唱えられ、鎌倉時代以降には『方丈記』『徒然草』といった仏教的思想の強い文学作品が増え始めます。また貴族から武士中心の世の中へ変化したため、『平家物語』『太平記』『義経記』などの軍記物語も成立しました。一般民衆の間では御伽草子（短編の絵入り物語）などが流行り、今までは上流の文化であった文芸が庶民にも広がっていきます。
そうして御伽草子の流れを汲んで江戸時代に書かれたのが仮名草子や井原西鶴らの浮世草子です。江戸時代後期には曲亭馬琴『南総里見八犬伝』や上田秋成『雨月物語』、建部綾足『本朝水滸伝』といった読本（伝奇小説）が書かれ、庶民向けの娯楽として赤本・青本などの草双紙が出版されました。これらは明治時代にも活字本として読み継がれ、坪内逍遥や二葉亭四迷などによって近代文学が打ち立てられるまで、日本の文学に影響を与え続けました。

家に置く場合にはある程度の場所が必要になってくる文学全集ですが、文学愛好家の方や研究者の方からはいつでも見れるように手元に揃えておきたいと好まれております。また持ち歩きの点から優れている文庫版は文字が小さく、注釈が後ろのページにまとまっていたり量が少なかったりという点から、本文と注釈と現代語訳を同じページで一度に見ることができる単行本サイズの全集を選択される方もいらっしゃいます。
なお、文学に限らず全集には月報や別冊などが付属していることがございます。こちらが揃っているか欠けているかによって買取金額は前後いたしますので、付属品はできる限り揃えた状態でお譲りください。

【当店取扱商品】
『仮名草子集成既刊57冊』朝倉治彦ほか編東京堂出版
『復刻日本古典文学館』日本古典文学学会編ほるぷ出版

書名：新日本古典文学大系全100冊＋別巻5冊＋総目録＋明治編30冊全136冊
出版社：岩波書店
発行年：平成1年（1989）

書名：日本古典全書全108冊
出版社：朝日新聞社
発行年：昭和40年（1965）

また、愛書館中川書房では日本古典文学に多大なる影響を与えた中国古典文学に関する古本の買取りも行っております。以前には『新釈漢文大系』（既刊分）や『全釈漢文大系全33冊』、『中国古典文学大系全60冊』、『中国古典新書全100冊』などを買取りさせていただきました。

書名：中国古典文学大系全60冊
出版社：平凡社
発行年：昭和49年（1974）
備考：「中国古典文学への招待」付