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東京都国立市にてプロレタリア文学作家・藤森成吉氏の蔵書を出張買取

プロレタリア文学作家・藤森成吉氏の蔵書を出張買取りさせていただきました。
蔵書のうち自筆資料・図書雑誌を含め約3000点は神奈川県立近代文学館に寄贈されて藤森成吉文庫として保存されていますが、まだ未整理の蔵書があるとのことで当店にご相談頂きました(今回の記事はご遺族様のご承諾を得て掲載させていただいております)。
愛書館中川書房の出張買取は作家や著名人の方の蔵書整理にも多数ご利用いただいております。ご家族の蔵書整理、遺品整理でお悩みの方は、古書出張買取専用フリーダイヤルまでぜひご相談ください。

  • 出張買取
  • 2017年6月7日
地 域 東京国立市
近 隣 駅国立駅・西国立駅
買取分野

【商品詳細】

藤森成吉はプロレタリア文学作家として読書家などから人気があります

藤森成吉という作家をご存知でしょうか?若い方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、戦前(1920年代から1930年代前半)流行したプロレタリア文学の代表的作家の一人です。
明治25年に長野県上諏訪町で生まれた藤森成吉は、東京帝国大学へ進学します。同期には倉田百三・秦豊吉・芥川龍之介・菊池寛・松岡讓など新思潮派の面々がいました。そして独文科の在学中に小説『波』(のち『若き日の悩み』と改題)を窪田空穂や鈴木三重吉らに認められ作家デビューを果たします。
卒業と同時に岡倉天心の弟・岡倉由三郎の長女・信子と結婚して六高講師として岡山に赴任しますが、新しい文学への情熱を抑えられず辞任。その後、短編『山』で文壇に復帰すると細井和喜蔵『女工哀史』の出版などにも尽力しました。大正13年には細井の助けにより、長年切望していた労働生活に飛び込みます。石鹸工場や北海道の家庭学校農場、織物工場、鋳物工場などで約1年半働き、その記録である『狼へ!』を『改造』に連載しました。
大正15年には後に映画監督・黒澤明が初めて書いたシナリオの原作でもある戯曲『磔茂左衛門』と友人・有島武郎の心中事件を扱った『犠牲』、翌年には戯曲『何が彼女をそうさせたか』を発表します。『何が彼女をそうさせたか』は藤森の代表作ともいえる作品であり、監督・鈴木重吉により映画化されて大ヒット。同年のキネマ旬報ベストワンに輝くなど高い評価を集めました。世界恐慌の最中であり様々な社会的不満が人々の心に鬱積していた時代。矛盾と虚偽に満ちた社会で苦難の人生を歩む少女の姿に多くの人が共感しました。
昭和3年、全日本無産者芸術連盟(ナップ)の初代委員長に就任。機関紙『戦旗』は小林多喜二や『太陽のない街』の徳永直をはじめ、中野重治・片岡鉄兵・村山知義など次々と新しい作家を生み出します。しかし関東大震災を期に弾圧は激化し、解散を余儀なくされました。
戦後は多くの文化団体の創設や運営に携わりながら、長編歴史小説『渡辺崋山』『悲しき愛』『独白の女』戯曲『若き啄木』『大原幽学』『頼山陽』『岡倉天心覚書』また句集や童話集『ピオの話』など数多くの作品を残し、昭和52年、84歳でその長い人生に幕をとじました。

プロレタリア文学といえば、今日ではやや時代遅れのものと感じられるかもしれませんが、ブラック企業に絡めて小林多喜二『蟹工船』が装丁も新たに再版されるなど、現代でも充分影響力を持っているといえます。「資本家打倒、共産主義万歳」といったイメージが強いですが、突き詰めれば「社会を変えたい」「人間が人間らしく暮らせる社会にしたい」という想いで書かれた文学です。藤森成吉が生きた時代は、そういった想いが文学に限らず様々な形で表れてきました。生活協同組合、関東大震災の復興住宅に端を発した同潤会アパート、築地小劇場等々。それらには危険思想として弾圧されたものもありますが、戦後民主主義文学運動の基盤となりました。

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プロレタリア文学は文学研究のみならず近代史研究にも有益な資料で、アナキズムやダダイズム等とも密接な関係を持っています。中には入手困難な稀覯本もございます。プロレタリア文学の萌芽期に活躍した宮嶋資夫、宮地嘉六、前田河広一郎、全盛期に活躍した黒島伝治、里村欣三、林房雄、葉山嘉樹などの作家以外にも、お手元に気になる自筆資料(草稿・手紙・短冊・色紙類など)や初版本・限定本・署名本などがございましたら、ぜひ愛書館中川書房までご相談ください。
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