仏教書『密教美術大観』の古本を出張買取いたしました

密教美術関係の全集・シリーズものや専門書は研究者などから需要があります

仏教に関する美術を仏教美術といいますが、そのうち密教の生み出した造形美術を密教美術といいます。9世紀初めに空海が唐から体系的に密教を伝えたことで、平安前期は密教美術が主流となりました。密教美術には諸尊の画像・彫像、曼荼羅、密教法具、そして灌頂堂や多宝塔といった建築物が該当します。
密教は経典など文字によって全ての信者に教えが開かれている顕教と異なり、視覚的な瞑想を重んじ、象徴的な教えを旨としている仏教です。そして密教では定められた儀軌（儀式と法規）に従って修法（加持祈祷）を行うことが最も重要であり、修法を執り行う際には諸尊の図像や曼荼羅が掲げられます。
諸尊の図像は本尊単独もしくは脇侍や眷属を配しており、大日如来（一字金輪）・仏眼仏母・普賢延命菩薩・五大明王・孔雀明王・愛染明王・十二天などが描かれています。曼荼羅は主尊を中心に諸仏諸尊が集会する楼閣を模式的に示した図像です。曼荼羅には「両界曼荼羅」と「別尊曼荼羅」の2種類があり、四度加行という修業を終えて阿闍梨位を授かる伝法灌頂という重要な修法には両界曼荼羅が掲げられます。
そして師から直系の弟子への伝法に際しては、白描図像（墨線のみの素描）によって諸尊の像容・印相・持物、曼荼羅の組織などが伝えられました。
平安時代末期に図像に対する関心が高まると異種異形の諸尊や曼荼羅、白描図像の転写・収集が行われたほか、『図像抄』『別尊雑記』『覚禅抄』のような図像を尊別や修法ごとに収集・整理した図像集などが次々に編纂されています。

図像や曼荼羅のほかに修法に用いられたものに密教法具があります。仏教の儀式で用いられる特殊な道具を仏具といいますが、その密教版です。密教法具には修法の際に並べられる金剛杵・輪宝・羯磨・金剛鈴・護摩壇・護摩具・火舎・六器・華瓶・飲食器などのほか、僧具（梵音具・錫杖）や仏像・堂内などを飾り立てる荘厳具（宝冠・耳飾・胸綴・瓔珞・条帛・台座・天蓋・厨子）などがあります。

愛書館中川書房では『伝真言院教王護国寺蔵 両界曼荼羅 全2函』『仏画の造形』『国宝 綴織当麻曼荼羅』『密教仏の研究』『密教美術の図像学』など曼荼羅や仏像といった密教美術に関する古本の出張買取を承っております。
以前には『佐和隆研著作集 全4冊』『密教版画集成 全2冊』『曼荼羅の研究 全2冊』『目でみる高野山信仰史 高野山古地図集成 全2冊』『日本の密教美術』などの密教美術関係の古本を出張にて買取りさせていただきました。『密教美術大観』のほか全集・著作集・シリーズもの、専門家が執筆した学術書など、密教美術関係の古本は研究者や寺院関係者などから需要があります。

【当店取扱商品】
『密教の仏身論』加藤精一 春秋社／『密教法具 全2冊』奈良国立博物館監修 臨川書店／『仏像装飾持物大事典』秋山昌海 国書刊行会／『別尊曼荼羅』真保亨編著 金子桂三写真 毎日新聞社

書名：平成新編 仏教法具図鑑
著者：有賀要延編著
出版社：国書刊行会
発行年：平成5年（1993）

密教・仏教ほか宗教美術に関する古本の買取強化中！

このほか愛書館中川書房では『白隠禅画墨蹟 全3冊』『社寺縁起絵』『インド仏教美術史論』『敦煌 密教と美術』『かくれキリシタンの聖画』など密教美術だけでなく仏教・神道・キリスト教といった宗教美術全般に関する古本の出張買取を承っております。
『醍醐寺大観 全3冊』『京都社寺境内版画集』『仏師運慶の研究』『シャルトル大聖堂のステンドグラス』などお手元に気になる品がありましたらお気軽にご相談ください。

書名：大聖堂の生成
著者：ハンス・ゼーデルマイヤ 前川道郎・黒岩俊介共訳
出版社：中央公論美術
発行年：平成7年（1995）

愛書館中川書房は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県など関東地方を中心に全国各地へ出張買取にお伺いしております（内容・量・地域によっては出張や買取りができない場合があります）。『密教美術大観 全4冊』のような学術的価値が高く流通数の少ない書籍などは遠方かつ量が少なくても出張できる場合がございますので、まずはお気軽に下記の買取専用フリーダイヤルへお電話ください。
【古本出張買取専用フリーダイヤル　0120-489-544】