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山梨県にて戦前の文学雑誌『白樺』(復刻版)ほか古書を出張買取

山梨県のお客様からご依頼を受け、『白樺 復刻版 全14巻160冊』『世界デザイン会議議事録』『エディトリアルデザイン事始』『勝見勝著作集 全5冊』ほか美術・デザイン・全集関係や講談社学術文庫1,000冊などの古本を出張買取させていただきました。貴重な書籍をお譲りくださりありがとうございます。

こちらの買取事例は書籍の分野ごとに分けてご紹介いたします。
デザイン関係は「『世界デザイン会議議事録』などの美術書を山梨県にて古本出張買取」、講談社学術文庫は「山梨県にて講談社学術文庫ほか専門書の古本を出張買取いたしました」をご覧ください。

  • 出張買取
  • 2020年9月25日
地 域 山梨山梨市
近 隣 駅
買取分野

【商品詳細】

  • 書 名 : 白樺 復刻版 全14巻160冊
  • 出版社 : 岩波ブックサービスセンター
  • 発行年 : 昭和63年(1988)


『古地図研究 附古地図集』日本地図資料協会編 国際地学協会
『イスラム文化と西欧 イブン・ルシド(アヴェロエス)研究』田中千里 講談社
『日本人とロシア語 ロシア語教育の歴史』日本ロシア文学会編 ナウカ
『《水滸》語彙の研究』香坂順一 光生館
『白話語彙の研究』香坂順一 光生館

戦前や戦後まもなくに刊行された文学関係の雑誌や初版本・署名本・特装本といった単行本は作家愛好家などから需要があります

文学同人誌『白樺』は明治43年(1910)4月に創刊され、関東大震災の影響により大正12年(1923)8月で廃刊された文芸雑誌・美術雑誌です。14年間で全160冊という刊行期間の長さ、同人メンバーの変動の少なさ、文学界における影響の大きさから近代日本最大の文芸同人誌とも言われています。
創刊時のメンバーは武者小路実篤と志賀直哉を中心として有島生馬・木下利玄・正親町公和・細川護立といった学習院にゆかりのある上流階級の青年であり、彼らと交流のあった有島武郎・里見弴・木下利玄・長與善郎・柳宗悦・園池公致・児島喜久雄・郡虎彦・中川一政・梅原龍三郎・岸田劉生・椿貞雄といった作家や画家が参加しました。『白樺』に作品を掲載し、理念や作風を共有していた作家や画家を「白樺派」といいます。

『白樺』が創刊された明治時代末期は、島崎藤村・田山花袋・徳田秋声・正宗白鳥などを中心とした自然主義文学が文壇の主流でした。美化を否定し真実を描くことを良しとする自然主義文学は、ヨーロッパにおいては客観的描写を重視するものでしたが、日本においては現実を赤裸々に暴露するものであると考えられました。
そうした風潮に逆らった作家は耽美派・余裕派・高踏派・新現実主義といった「反自然主義」的な作品を執筆するようになります。白樺派もそのひとつであり、大正デモクラシーなどの自由主義・民主主義を唱える風潮を背景に、理想主義・人道主義・個人主義的な作品を制作しました。彼らの思想にはキリスト教やトルストイ主義のほかモーリス・メーテルリンク、ウォルト・ホイットマン、ウィリアム・ブレイクといった詩人の存在が大きく影響しています。
その後、自然主義が衰退すると白樺派が大正時代の文壇の中心的な存在となり、特に志賀直哉の私小説・心境小説は純文学の規範として同時代の若い小説家たちに多大な影響を与えました。

なお白樺派はオーギュスト・ロダンやポール・セザンヌ、フィンセント・ファン・ゴッホ、ポール・ゴーギャンなどヨーロッパ美術の紹介や美術展の開催などにも力を入れており、印象派やポスト印象派、フォーヴィスムといった芸術を盛大に取り上げました。
例えば日本で最初にゴッホの存在に触れたのは森鴎外でしたが、本格的に紹介したのは白樺派であり、大正元年(1912)には『白樺』で「ゴオホ特集」を組み、多数の作品の写真版や阿部次郎訳の回想録、武者小路や柳宗悦の寄稿などを掲載しています。また、大正10年(1920)の白樺美術館第1回展では白樺派のパトロン的存在であった山本顧彌太(実業家)が7万フラン(現在の価格に換算すると約2億円)で購入した『ひまわり』が展示されました。

愛書館中川書房では『文芸時代』『新思潮』『アララギ』『明星』といった明治時代や大正時代に刊行されていた文芸雑誌、武者小路実篤『お目出たき人』『無車詩集』、志賀直哉『留女』『荒絹』、永井荷風『問はずがたり』『歓楽』といった戦前や戦後まもなくに刊行された小説の初版本・特装本など日本文学に関する古書の出張買取を承っております。
作家直筆の原稿・草稿・色紙・書幅・書簡といった紙ものも当店にお任せください。

以前には『志賀直哉全集 全28冊』『定本久生十蘭全集 全12冊』『山川方夫全集 全7冊』『水野仙子集』『有島武郎と愛人秋子の死』、里見弴『善心悪心』、有島武郎『一房の葡萄』などの日本近代文学関係の古書を出張にて買取りさせていただきました。
戦前の初版本や署名本、装幀の異なる特装本・限定本・私家本といった小説・随筆・詩集などの文学関係の古書は愛好家などから需要があります。

【当店取扱商品】

書名:歴程 戦前版 全27冊 複刻版
著者:瀬沼茂樹編
出版社:日本近代文学館
発行年:昭和60年(1985)


書名:続・幻影城 探偵小説評論集
著者:江戸川乱歩
出版社:早川書房
発行年:昭和29年(1954)
備考:署名入


佐藤春夫『わが北海道』草稿(原稿)

近代文学や古典文学など日本文学に関する古書の買取強化中!

このほか愛書館中川書房では明治時代や大正時代といった戦前の近代文学だけでなく『萬葉集全歌講義 全10冊』『狭衣物語諸本集成 全6冊』『天草版伊曽保物語の研究』『枕草子解釈の諸問題』など日本の古典文学に関する古書の出張買取も承っております。
『伊勢物語古注釈書コレクション 全6冊』『俊成卿女全歌集』『源氏物語続篇の研究』などお手元に気になる品がありましたらお気軽にご相談ください。


書名:源氏物語の言説
著者:三谷邦明
出版社:翰林書房
発行年:平成14年(2002)

愛書館中川書房は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県など関東地方を中心に全国各地へ出張買取にお伺いしております(内容・量・地域によっては出張や買取りができない場合があります)。こちらの買取事例は書籍の量が多かったためお客様のご自宅へ出張させていただきましたが、遠方かつ少量の場合は宅配買取も承っております。詳しくは買取の流れをご覧ください。
当店の出張買取は予約制となっております。遠方の場合や3000冊、5000冊といった大量買取の場合は日程調整にお時間をいただく可能性もございます。引っ越しなどでお日にちの希望がある場合はお早めに下記の買取専用フリーダイヤルへお電話ください。
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