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東京都台東区にて展覧会「アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝」が開催されています。

1月23日(火)より、東京都国立博物館(東京都台東区上野公園)にて特別展「アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝」が開催されています。

アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝

会場:東京都国立博物館 表慶館(東京都台東区上野公園13-9)
会期:1月23日(火)~3月18日(日)
休館日:月曜日(2月12日(祝)は開館、翌日休館)
開館時間:9:30~17:00(最終入館16:30) ※金・土曜日は21:00まで開館
入館料:一般620円 大学生410円
※総合文化展観覧料
※高校生以下・満18歳未満・満70歳以上の方は無料

アラビア半島はアジアとアフリカを繋ぐ場所に位置する西アジア南西端の巨大な半島です。旧石器時代から人類の存在は確認されており、紀元前5000年紀の土器や前3000年紀の神殿・都市・墳墓が発掘調査されたことで、世界最古の文明である古代メソポタミア文明とアラビア東部の密接な関係も判明しています。
半島の南部では前1000年紀からサバア王国やヒムヤル王国といったいくつかの国家が興亡し、サバア王国の中心地マーリブにある巨大なダムの遺跡に象徴されるように高度な農業社会を維持し、碑文として今日に伝わる独特の文字を残しました。一方、半島の北部とシリア砂漠はラクダを飼育する遊牧民とラクダで荷を運ぶ商人の世界であり、「荒野の民」という意味をもつ「アラブ」とよばれていました。前8世紀のアッシリア王の碑文がアラブに言及し、『旧約聖書』やヘロドトスの『歴史』にもアラブに関する記述があります。2世紀ごろから北アラブと南アラブは互いの文化を受け入れ、5~6世紀には半島全域で混住しました。

古代におけるアラブの宗教は、南北ともにアニミズムや天体崇拝など偶像を祀る多神教です。半島の西部にある町メッカ(マッカ・アル=ムカッラマ)にあるカアバ神殿は多神教徒の聖地であり、6世紀後半から7世紀初頭にかけて南アラビアがササン朝ペルシアの政治的影響下に置かれていても、どこにも支配されない地域として存在しました。イスラム教の開祖である預言者ムハンマド・イブン=アブドゥッラーフの生誕地であるメッカと、ムハンマドの墓を有する都市マディーナ(メディナ)は「二聖都(アル・ハラマイン)」として信仰されています。その後イスラム教はサラセン帝国の世界制覇に伴いイラン・トルコほか近東・アジア・アフリカ・スペインというように北アフリカから中央アジアにまで瞬く間に普及し、現在は世界三大宗教のひとつに数えられています。
ムハンマドの死後、アラビア半島はムハンマドの後継である正統カリフ(指導者)によってイスラム帝国として広大な地域を征服しますが、第4代カリフが暗殺されたことにより、661年のウマイヤ朝の成立とともに政治の中心からは離れました。10世紀ごろからイスラム世界が政治的に分裂すると、アラビアの東部はイラクを支配する王朝の統治下に、西部はエジプトを支配する王朝の統治下に入るようになります。ただしアラビア各地の土着勢力も強く、イバード派やザイド派といったイスラム教の少数派の政権が誕生したときもありました。

18世紀、アラビアにイスラム改革運動のひとつであるワッハーブ派の運動が起こります。ムハンマド・イブン・アブドゥルワッハーブは、当時はまだ地方勢力の1つであったサウード家(現サウジアラビア王家)と結びつき、第1次ワッハーブ王国(第1次サウード王国)を樹立しました。この王国はオスマン帝国の命を受けたエジプト総督によって滅ぼされますが、19世紀の半ばには第2次ワッハーブ王国が再建。その後また滅ぼされるものの20世紀初頭に後の初代サウジアラビア国王であるアブドルアジーズ・イブン・サウードが勢力を立て直し、1932年に半島の大半を占めるサウジアラビア王国が建国されました。サウジアラビアとは「サウード家のアラビア」という意味です。
現在、アラビア半島はサウジアラビア王国・アラブ首長国連邦・カタール・オマーン王国・イエメン共和国に分かれています。半島の大半は砂漠ややせた草地であるためそちらは遊牧民の生活舞台となっていますが、オアシスも多く散在していることからオアシス農民も多くいます。1930年代に東海岸において世界最大の埋蔵量をもつ油田が発見・開発されるなど原油の埋蔵量は世界2位であり、天然資源開発を主な産業として発展しています。

イスラム教の聖地カァバ神殿の扉ほか、日本初公開が盛り沢山!

東京都国立博物館で開催されている展覧会「アラビアの道 サウジアラビア王国の至宝」は、「人類、アジアへの道」「文明に出会う道」「香料の道」「巡礼の道」「王国への道」の5つがテーマになっています。
100万年以上前というアジア最古級の石器を含む旧石器群、5000年前の「人形石柱」や動物を模った石彫、紀元前1000年以降に香料交易で賑わったオアシス都市の出土品、アラビア湾岸地域で発掘された副葬品、交易による富を背景に王国を築いたリフヤーン人の巨像、サウジアラビア王国の初代国王となったアブドゥルアジーズ王の遺品などが展示されます。また、16世紀のクルアーン(コーラン)の写本や17世紀に聖地マッカのカァバ神殿で実際に使われていた扉など、当時のイスラム教徒たちの文化や信仰についても取り上げられています。アラビア半島の歴史や古代から近現代に至るイスラム工芸の真髄に触れることができる貴重な展覧会です。

〈展示作品〉
「細石器」「石製容器」「彩文土器」
「アラビア湾式印章」「闘斧」「彩文香炉」
「ナボニドゥス王のステラ」「アラム文字による奉献碑文」
「ライオン浮彫」「神殿の装飾」「巡礼路建設記念碑」
「カァバ神殿の扉」「儀礼用の短剣」
「アブドゥルアジーズ王の上衣」「アブドゥルアジーズ王のクルアーン(コーラン)」 ほか

なお、2月4日(日)までの期間限定となりますが、アラビアの遊牧民テント内(表慶館前)にて民具・香炉・敷物・毛織物・伝統衣装などの展示が行われています。こちらでは各日先着1,000名に、サウジアラビアにおいて来客時のもてなしとして出されるアラビックコーヒーとナツメヤシが無料配布されており、サウジアラビアの文化を体験することができます。

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