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東京都渋谷区にて展覧会「神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展」が開催されます。

2018年1月6日(土)よりBunkamura ザ・ミュージアム(東京都渋谷区道玄坂)にて、特別展「神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展」が開催されます。

神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展

会場:Bunkamura ザ・ミュージアム(東京都渋谷区道玄坂2-24-1)
会期:2018年1月6日(土)~3月11日(日)
休館日:2018年1月16日(火)、2月13日(火)
開館時間:10:00~18:00、金土は~21:00(最終入館は閉館30分前)
入館料:一般1,600円 高校・大学生1,000円 小・中学生700円

ルドルフ2世(1552年7月18日-1612年1月20日)はハプスブルク家のマクシミリアン2世と皇后マリアの子として誕生した神聖ローマ帝国の皇帝です。ハプスブルク家は南ドイツを代表する大貴族であり、ヨーロッパ随一の名門王家とも言われています。ルドルフ2世の祖父であるフェルディナント1世がハプスブルク帝国の礎を築きました。ルドルフ2世は神聖ローマ帝国のローマ皇帝として1576年から1612年の36年間在位したほか、ハンガリー王、クロアチア王、ボヘミア王、オーストリア大公としても君臨します。スペインの宮廷で幼少期を過ごしたルドルフ2世はイエズス会の影響を受けた厳格なカトリック教徒であり、神聖ローマ帝国の皇帝となったのちは、寛容策を採用していた父マクシミリアン2世とは一転して徹底的にプロテスタントを弾圧しました。しかしハンガリーを中心に各地で反乱が勃発し、ハンガリーやボヘミアといった一部地域では信教の自由を認めることになります。ですが政策の不徹底により、ルドルフ2世の死後に神聖ローマ帝国内において三十年戦争(プロテスタントとカトリックの対立によって発生した最大の宗教戦争。神聖ローマ帝国解体の始まり)が勃発する一因となりました。

政治的には無能と評価されるルドルフ2世ですが、文化の面では多大なる功績を残しています。もともと神聖ローマ帝国の首都はウィーンでしたが、ルドルフ2世は1583年に首都をウィーンからプラハへと移します。プラハを選んだ理由としては、かの地ではカトリックとプロテスタントとの対立があまり激しくないこと、勢力を拡大するトルコによってウィーンが脅威にさらされており、プラハのほうがトルコの動向が分かりやすかったことなどが挙げられます。ルドルフ2世が芸術や学問を保護したことで、プラハへと移されたルドルフ2世の宮廷にはローマやフィレンツェ、フランクフルト、アウクスブルクなどヨーロッパ各地から多くの芸術家・錬金術師・占星術師が集まり、プラハはヨーロッパの文化の中心都市として栄華を極めました。
ルドルフ2世がプラハに呼び寄せた芸術家にはジュゼッペ・アルチンボルド、ディルク・ド・クワード・ファン・ラーフェステイン、バルトロメウス・スプランガーなどがいます。マニエリスム様式を愛好した彼らは宮廷画家としてプラハで活躍し、時に妖艶な雰囲気すらたたえた優雅な芸術を生み出していきました。また、ルドルフ2世はドイツのルネサンス期の画家アルブレヒト・デューラー、ヴェネツィア派で最も重要な画家の1人であるティツィアーノ・ヴェチェッリオといった巨匠の作品の入手に努めるなど、収集家としてだけでなく芸術の庇護者として、自身の嗜好の強い最高水準の芸術作品と珍奇な品々で構成された壮大なコレクションをプラハに築き上げていきます。なお、そのコレクションの中には芸術作品だけでなく、大航海時代によって遠方からもたらされた珍しい獣や鳥の動物や様々な草花、望遠鏡などの科学技術機器、鉱物、金銀細工、なども含まれており、プラハの宮廷にはかつてない規模の「驚異の部屋」(cabinet de curiosité)が出現しました。そしてそれらは画家たちのアイディアの源ともなりました。

ジュゼッペ・アルチンボルドの傑作、ルドルフ2世の肖像画が展示されます

今回Bunkamura ザ・ミュージアムで開催される展覧会「神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展」では、ルドルフ2世が蒐集した作品たちが多数展示されます。ジュゼッペ・アルチンボルド、バルトロメウス・スプランガー、ディルク・ド・クワード・ファン・ラーフェステインといった宮廷画家の絵画、ルドルフ2世によって蒐集された動植物を題材として描かれた作品、杯や時計などの工芸品、天体観測機器のほか天文学や錬金術に関する貴重な資料などが展示されます。
なかでも今回注目したいのは、「神聖ローマ帝国皇帝 ルドルフ2世の驚異の世界展」のチラシやポスターにも採用されているジュゼッペ・アルチンボルドの油彩画「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像」です。ジュゼッペ・アルチンボルドはルドルフ2世に最も寵愛された画家の1人であり、「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像」は怪しく謎めいたルドルフ2世の人物像を、四季を掌握する力を持つローマ神話に登場するウェルトゥムヌス神として描き出した異色の肖像画です。さらに今回の展覧会では、映画監督であり現代美術家でもあるフィリップ・ハースが制作した「春(模型、アルチンボルドに基づく)」ほか、アルチンボルドの代表的絵画「四季」シリーズを立体彫刻として再現した4点が展示される予定です。また、自然の博物を主題とした細密画を得意とするヨーリス・フーフナーヘルの水彩画は日本初公開であり、今回は「人生の短さの寓意(花と昆虫のいる二連画)」が展示されます。

〈展示作品〉
ルーラント・サーフェリー「動物に音楽を奏でるオルフェウス」「花束」
ヨーリス・フーフナーヘル「人生の短さの寓意(花と昆虫のいる二連画)」
ジュゼッペ・アルチンボルド「ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像」
ディルク・ド・クワード・ファン・ラーフェステイン「ルドルフ2世の治世の寓意」
ペーテル・グルンデル「卓上天文時計」
「航海用アストロラーベ」「貝の杯」  ほか

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