叢書『大日本近世史料』など歴史(日本史)関係の古本を出張買取いたします

愛書館中川書房では、東京大学出版会から刊行された叢書『大日本近世史料既刊分』ほか歴史（日本史）関係の古本を買取りしております。

書名：大日本近世史料既刊分
著者：東京大学史料編纂所
出版社：東京大学出版会
発行年：昭和30年（1955）

◆収録史料
「上田藩村明細帳」全3冊
「肥後藩人畜改帳」全5冊
「唐通事会所日録」全7冊
「小倉藩人畜改帳」全5冊
「諸問屋再興調」全15冊
「市中取締類集」既刊32冊
「柳営補任」全8冊
「幕府書物方日記」既刊18冊
「諸宗末寺帳」全2冊
「細川家史料」既刊28冊
「編修地誌備用典籍解題」全6冊
「近藤重蔵蝦夷地関係史料」全4冊（3巻+附図）
「廣橋兼胤公武御用日記」既刊14冊

『大日本近世史料』と一緒に買取りさせていただいた古本については「茨城県古河市にて『大日本近世史料』ほか歴史(日本史)の古書を大量出張買取」にてご紹介しております。

『大日本近世史料』ほか日本の歴史研究において重要な史料を収録した叢書は歴史学の研究者や専門家から人気があります

『大日本近世史料』とは東京大学の付属研究所である東京大学史料編纂所によって刊行された史料叢書です。第二次世界大戦後、江戸幕府の成立から廃藩置県までを取り扱う近世史料部門が誕生し、昭和28年（1953）から刊行を開始しました。70年以上にわたって刊行が続く歴史ある叢書です。

『大日本近世史料』に収録されている史料は、幕府史料・藩政史料・学芸史料の大きく3つに分けられます。いずれも東京大学史料編纂所が近世を研究するにあたり重要と判断した史料が選出されています。

幕府史料とは、江戸幕府の諸役人や町奉行所の記録のことを指します。江戸幕府における諸役人の任免を記録した「柳営補任」、江戸幕府の町奉行所が編纂した「市中取締類集」「諸問屋再興調」、第一級の武家伝奏日記と評される廣橋兼胤の役務日記「廣橋兼胤公武御用日記」、近藤重蔵が蝦夷地探検を行った際の書状・帳簿・覚帳・絵図をまとめた「近藤重蔵蝦夷地関係史料」、寺院本末制度の確立によって作られた「諸宗末寺帳」、長崎において唐通事（中国語翻訳）が記録した執務日記「唐通事会所日録」が収録されています。

藩政史料とは、農村における労働力や人口の変化を記録した「上田藩村明細帳」「肥後藩人畜改帳」「小倉藩人畜改帳」、肥後国熊本藩主であった細川家の藩政の記録の「細川家史料」といった史を指します。
「上田藩村明細帳」「肥後藩人畜改帳」「小倉藩人畜改帳」は幕藩体制における領主権力の経済的基盤を確立するために作成されました。稲の種類や薪の取り場などが記されているものもあり、江戸時代における村の様子を知る史料として重要視されています。
また、『細川家史料』の基になっている文書や記録はおよそ2万点にのぼり、なかでも近世初期の藩政史料が豊富なことが他の大名史料と比べて大きな特色です。

学芸史料とは、江戸幕府書物奉行による152年間の勤務日誌「幕府書物方日記」、そして昌平坂学問所の史局で編纂された「新編武蔵国風土記稿」「御府内備考」「新編相模国風土記稿」などの解題目録「編修地誌備用典籍解題」を指します。江戸幕府の学事関係や江戸時代後期の地誌を知るうえで重要な史料です。

【当店取扱書籍】

書名：戦国遺文既刊分
著者：杉山博他編
出版社：東京堂
発行年：平成元年（1989）