三島由紀夫ほか文学作家の個人全集や限定版の古本を出張買取いたします

愛書館中川書房では、三島由紀夫ほか作家の個人全集、署名（サイン）入りなど豪華な装丁の限定版・特装版、初刊行時の出版社の初版本（初刷本）など、文学に関する古本を買取りしております。

書名：三島由紀夫全集全36冊
出版社：新潮社
発行年：昭和48年（1973）
備考：限定版

『三島由紀夫全集』と一緒に買取りさせていただいた書籍については「福島県いわき市にて文学・美術関係の全集など古本を大量出張買取」にてご紹介しております。

三島由紀夫ほか文学作家の個人全集は愛好家や専門家から需要があります

三島由紀夫は戦後の日本文学において非常に高く評価されている小説家です。長編小説『仮面の告白』『潮騒』『金閣寺』『豊饒の海』、短編小説『花ざかりの森』『憂国』、戯曲『近代能楽集』『鹿鳴館』『サド侯爵夫人』など多くの代表作があります。

大正14年（1925）生まれの三島由紀夫は、昭和の年数と満年齢が一致することから「昭和と生涯を共にした人物」として語られます。
幼少期は厳しくも過保護な祖母の元で育てられ、学習院初等科に入学後は国内外の童話集や詩などの文学に親しみました。中等科に進学後は文芸部に所属し多くの散文・詩歌・戯曲を発表していきます。また、この頃から歌舞伎や能にも夢中になりました。「三島由紀夫」というペンネームを用いて発表した最初の作品「花ざかりの森」は中等科5年のときのものです。
昭和19年（1944）に東京帝国大学の法学部へ進学しましたが、戦局悪化により翌年には授業が中断となり勤労動員され、兵役は免れたものの太平洋戦争時の経験は死生観に大きな影響を与えました。終戦後は川端康成と師弟関係のような結びつきを持ち、昭和22年（1947）に大学を卒業し大蔵省へ入省した後も作品の発表を続けます。翌年には父の許しを得たことから職業作家の道を進みました。その記念すべき第一作が長編小説『仮面の告白』であり、三島由紀夫の作家としての地位を不動のものにしました。
その後も昭和27年（1952）に文学座が初演した戯曲「卒塔婆小町」は劇作家としての地位を確立させ、昭和29年（1954）に刊行された長編小説『潮騒』はベストセラーとなり、昭和31年（1956）刊行の『金閣寺』では今をときめく作家として持て囃されました。

戦時中に「特攻隊に入りたかった」と口にしながらも徴兵されなかった三島由紀夫ですが、昭和41年（1966）に二・二六事件と特攻隊を題材にした短編小説『英霊の聲』を発表して以降、自衛隊への体験入隊、民間防衛組織「祖国防衛隊」（のちに「楯の会」と改称）の結成など政治的な行動が増え、戦後の民主主義を批判していきました。そして昭和43年（1969）には自衛隊の国軍化と拳法9条改正のためのクーデターを計画しますが、翌年の国際反戦デーに起こったデモでは自衛隊の治安出動がなかったため不発に終わります。
そして昭和45年（1970）11月25日、三島由紀夫は楯の会の会員とともに陸上自衛隊の市ヶ谷駐屯地を訪れ、面談の最中に益田兼利総監を人質にして籠城しました。『檄』という声明文をバルコニーから撒き、憲法改正のため自衛隊へと決起を促す演説を行いましたが、最後は割腹自決をしてその生を終えました。

三島由紀夫の作品は生前から作品集や選集としてまとめられましたが、死後に刊行された新潮社の『三島由紀夫全集全36冊』が最初に刊行された全集です。通常版は黒色の函に入っており、限定版は二重箱かつ総革表紙の豪華な装幀となっています。
また、平成12年（2000）には同じく新潮社から『決定版三島由紀夫全集全44冊』が刊行されました。こちらはオレンジ色の函に入っており、『三島由紀夫全集全36冊』には収録されていなかった小説・戯曲・評論・エッセイ・創作ノート・詩歌・書簡などが収録されています。
作家の個人全集は、新しいものが刊行されると古い方の価値は下がる傾向がありますが、例えば三島由紀夫の場合は『三島由紀夫全集全36冊』は旧字体、『決定版三島由紀夫全集全44冊』は新字体という違いがあり、三島由紀夫本来の文章を味わいたいという愛好家からは現在も『三島由紀夫全集全36冊』は需要があり、特に状態の良い限定版は喜ばれます。一方、『三島由紀夫全集全36冊』には未収録の作品を求める愛好家や三島由紀夫を研究している専門家から『決定版三島由紀夫全集全44冊』は需要があり、両方揃えたいと考える方もいらっしゃいます。

【当店取扱書籍】

書名：決定版三島由紀夫全集全44冊
出版社：新潮社
発行年：平成12年（2000）
備考：検索CD-ROM付

書名：戯曲黒蜥蜴
著者：三島由紀夫
出版社：牧羊社
発行年：昭和45年（1970）
備考：限定350部毛筆署名入

三島由紀夫ほか日本の近現代作家の全集・署名本・限定本など文学関係の古本、作家の草稿（直筆原稿）を買取強化中！

愛書館中川書房では三島由紀夫ほか日本の近現代文学作家の個人全集、署名本（サイン本）・限定本・特装本・私家本、初版本、作家論や作品論に関する学術専門書ほか文学に関する様々な内容の古本、そして草稿（直筆原稿）・書簡・掛軸・色紙といった作家の直筆ものの出張買取を承っております。

【買取事例】
「埴谷雄高宛寺山修司献呈署名本（サイン本）の古本を出張買取」
「池波正太郎ほか脚本草稿（直筆原稿）を出張買取いたしました」

池波正太郎戯曲草稿（直筆原稿）「鬼平犯科帳狐火」

三島由紀夫『金閣寺限定版』新潮社、川端康成『伊豆の踊子限定版』江川書房、太宰治『晩年』砂子屋書房、『谷崎潤一郎全集全26冊』中央公論新社、泉鏡花『柳筥』春陽堂、芥川龍之介『羅生門』阿蘭陀書房など、お手元に気になる書籍や直筆ものがありましたらお気軽にご相談ください。
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