新版画(木版画)『平成版浮世絵 京都百景全集』を出張買取いたしました

「銀閣寺」

「青蓮院」

「平等院」

「北野天満宮」

新版画ほか制作数や流通数の少ない木版画の作品は蒐集家や愛好家などから人気があります

明治30年（1897）前後から昭和時代に描かれた木版画のことを新版画といいます。江戸時代に流行した浮世絵版画と同様、絵師・彫師・摺師による分業で制作されています。

井堂雅夫は昭和20年（1945）生まれの木版画家です。幼少期を岩手県盛岡市で過ごし、15歳のときに京都へ移ります。染色家に弟子入りしたのち昭和47年（1972）から木版画の制作を始め、翌年には日本版画協会や日動版画グランプリで入選を果たします。その後は京都・東京・盛岡・仙台・名古屋・福岡のほかアメリカ・中国・スイスなど様々な地で個展を開催しました。平成28年（2016）に享年70歳で死去しています。

『平成版浮世絵 京都百景全集』は5年かけて制作された多色摺り浮世絵木版画のシリーズです。その名の通り京都の名勝が100点収められており、「東山十景」「嵯峨野十景」「洛北十景」「洛中十景」「洛南十景」「洛東十景」「洛西十景」「北山十景」「京都府十景」「御所十景」の全10集で構成されています。
京都の街並み、神社仏閣の佇まい、花や樹木の彩りなどが井堂雅夫によって描かれており、彫師によって版木に彫り起こされ、摺師によって越前和紙に摺られました。1枚の作品につき13〜32枚の版木が存在し15〜34回ほど色を重ねて摺られており、たくさんの手間と時間がかかっている作品です。

木版画に用いられる版木は摺りを重ねるたび磨耗します。つまり摺れば摺るほど品質が落ちるため、例えば江戸時代の浮世絵版画は摺られた時期によって線の太さや細かさが変わります。新版画においては一定基準以上の作品のみを世に出そうとする木版画家が多いため、制作の際はたいてい数を制限しています。
そのため『平成版浮世絵 京都百景全集』だけでなく、制作数や流通数の少ない新版画や創作版画（自画自刻自摺）といった木版画は美術品の蒐集家や画家の愛好家などから人気があります。

愛書館中川書房では竹久夢二・川瀬巴水・土屋光逸・石井柏亭・橋口五葉・伊東深水・吉田博・高橋松亭など新版画の時代に活躍した木版画家の美術作品の出張買取を承っております。
以前にはオリジナル版画入り美術雑誌『方寸』、彩色木版画入り画集『小村雪岱 木版画草紙 おせん』『竹久夢二木版画集』、復刻木版画付き『川瀬巴水 旅情詩人 大正・昭和の風景版画家 図録』、笠松紫浪木版画「公孫樹」などの木版画家の作品や画集を出張にて買取りさせていただきました。

【当店取扱商品】

作品名：能楽図絵 二百五十番 全250図
画家：月岡耕漁
出版社：松木平吉印刷兼発行
発行年：明治30年（1897）から明治35年（1902）

作品名：木版画 房州布良
画家：川瀬巴水
出版社：渡辺版画
発行年：昭和24年（1949）

書名：木版画集 京洛春秋 春夏三撰
著者：東山魁夷監修・題字 アダチ版画研究所彫摺
出版社：毎日新聞社
発行年：昭和53年（1978）
備考：限定450部のうち112番

新版画・創作版画といった木版画など美術作品の買取強化中！

このほか愛書館中川書房では『創作版画雑誌 白と黒』『創作版画 花尽』『鑑賞資料創作版画集』『創作版画 THE MODERN JAPANESE PRINT』など、明治時代末期から大正時代にかけて制作された自画・自刻・自摺の木版画「創作版画」の出張買取も承っております。
『鬼才の画人 谷中安規』『創作版画 京洛三十題』『創作版画誌 HANGA』などお手元に気になる品がありましたらお気軽にご相談ください。

書名：方寸版画集 幻想集 創刊号
著者：谷中安規
出版社：創作版画倶楽部
発行年：昭和8年（1933）
備考：限定500部

作品名：新東京百景 全100枚
画家：恩地孝四郎・川上澄生・前川千帆・平塚運一ほか
出版社：創作版画倶楽部
発行年：昭和4年（1929）～昭和7年（1932）
備考：創作版画 非売品 限定50部

愛書館中川書房は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県など関東を中心に全国へ出張買取にお伺いしております（内容・量・地域によっては出張や買取りができない場合があります）。新版画や創作版画といった木版画などの美術作品以外にも様々な分野の紙ものや古本を買取対象としています。詳しくは取扱分野をご覧ください。
当店の出張買取は予約制となっております。まずは下記の買取専用フリーダイヤルへお電話ください。
【古本出張買取専用フリーダイヤル　0120-489-544】