古書の街』神田神保町の古本屋・愛書館中川書房の古本・古書買取サイト

普寧寺版『大般若波羅蜜多経』の古典籍(漢籍)を出張買取いたしました

仏典(仏教典籍)のひとつである経典『大般若波羅蜜多経 全600巻』のうち、元の時代に刊行された普寧寺版『大般若波羅蜜多経 巻第二百二十八』の古典籍(漢籍)を出張にて買取りさせていただきました。貴重な品をお譲りくださりありがとうございます。

  • 出張買取
  • 2022年9月19日
地 域 山梨
近 隣 駅
買取分野

【商品詳細】

  • 書 名 : 大般若波羅蜜多経 巻第二百二十八
  • 出版社 : 日南山普寧寺
  • 発行年 : 至元16年(1279)

元版『大般若波羅蜜多経 巻第二百二十八』2 元版『大般若波羅蜜多経 巻第二百二十八』3

普寧寺版『大般若波羅蜜多経』ほか宋版・元版の古版経などの古典籍(漢籍)は専門家や研究者から需要があります

宗教には聖典と呼ばれる書物が存在し、仏教における聖典のことを「仏典(仏教典籍)」といいます。『維摩経(不可思議解脱経)』『大般涅槃経』『大方広仏華厳経』『法華経(妙法蓮華経)』『仏説阿弥陀経』『金剛頂経』などがあり、『大般若波羅蜜多経』もそのひとつです。
なお、仏典は「律蔵」「経蔵」「論蔵」の3つに分けられることから「三蔵」とも呼称されます。「律蔵」は僧侶が守るべき規則をまとめた書物、「経蔵」は釈迦の教えをまとめた書物、「論蔵」は教えに対する注釈をまとめた書物のことを指します。

現在日本に広まっている主要な仏教の宗派は「大乗仏教」に分類されており、大乗仏教において最も早く成立した経典群が「般若経」です。菩薩が仏になるための修行のことを「般若波羅蜜(般若波羅蜜多)」といい、般若経は般若波羅蜜について説いています。
中国では般若波羅蜜に関する仏典は幾度かにわたって持ち込まれましたが、645年に玄奘三蔵が西域(インド)から関連経典657部を持ち帰り、まとめて漢訳を行いました。そのうち最も重要と考えられていた『大般若経』の翻訳本のことを『大般若波羅蜜多経』といい、全600巻あります。

印刷された仏教経典のことを「版経」といいます。「写経」の対義語です。日本では奈良時代から版経が作られており、「春日版」「高野版」「浄土教版」「五山版」などが古版経(奈良時代から江戸時代に印刷された版経)として有名です。
買取りさせていただいた普寧寺版『大般若波羅蜜多経 巻第二百二十八』は、中国の元代(1271-1368)に印刷された古版経です。中国で出版が盛んに行われるようになったのは宋代(960-1279)に入ってからのことで、多くの古典作品は宋代のものが最も古い出版物となっています。文字の美しさや彫刻技術の高さ、誤字の少なさなどが評価されており、鑑賞用としてだけでなく学術的な資料としての価値も高くなっています。宋代に刊行されたものは「宋版」または「宋本」と呼びますが、現存している「宋版」「宋本」の多くは南宋(1127-1279)に出版されたものであり、北宋(960-1127)のものは非常に稀です。
普寧寺版『大般若波羅蜜多経 巻第二百二十八』が刊行されたのは、モンゴル帝国の第5代皇帝にして元朝の初代皇帝クビライ・ハン(フビライ・ハン)が南宋が滅ぼした至元16年(1279)2月となっています。国立歴史民俗博物館に所蔵されている普寧寺版「巻第二百八十九」は至元16年7月の刊行であることから、その刊行速度から見るに普寧寺版『大般若波羅蜜多経』の出版事業そのものは南宋末期には着手されていたと考えられます。
普寧寺とは、庶民仏教の一宗派である白雲宗の総本山普寧寺のことです。北宋末期にあたる大観年間(1107-1110年)に清覚が創建した白雲宗は、元の時代には朝廷からの公認を受けており、当時最も栄えていた都市である江南においては一大勢力を築きました。こうした状況下で刊行されたのが「普寧寺版蔵経」と呼ばれる一連の古版経であり、『大般若波羅蜜多経』もそのひとつです。巻末の施入記に「謹施浄財」と書かれているように、朝廷が出版する官版ではなく、一般民衆の寄付によって開板事業が進められました。至元27年(1290)頃に完成したと考えられています。
なお、宋版や元版といわれる古版経には普寧寺版のほかにも紹興版・開元寺版・磧砂延聖寺版・東禅寺版・思渓版などが現存しています。

愛書館中川書房では『増訂漢魏叢書 全80冊』『六家文選 全30冊』『評論出像水滸傳 全20冊』『陸宣公集 全6冊』『求古精舍金石図 全2冊』ほか宋・元・明・清といった中華民国成立以前の中国で刊行された唐本や和刻本などの漢籍や古典籍の出張買取を承っております。
以前には『新増説文韻府群玉 全20冊』『清容外集 全12冊』『日知録 全12冊』『錢神志 全7冊』などの漢籍を出張にて買取りさせていただきました。
漢籍の買取事例については「『匋斎蔵印』ほか古典籍(和本)・漢籍などを大量出張買取いたしました」「金石学に関する中国古典籍(唐本)『金石索』を出張買取いたしました」なども合わせてご覧ください。

【当店取扱商品】
御選唐宋詩醇 全47巻24冊(1)
書名:御選唐宋詩醇 全47巻24冊
著者:清・高宗(愛新覚羅弘暦)編
出版社:善成堂蔵板
発行年:乾隆25年(1760)重刊

佩文韻府
書名:佩文韻府
著者:蔡升元ほか編
出版社:上海點石斎石印
発行年:光緒年間(1875-1908)

古版経・絵巻物・古活字本・古文書・古地図・浮世絵・漢籍など古典籍の買取強化中!

このほか愛書館中川書房では『南総里見八犬伝 全98冊』『大和本草 全10冊』『新板異形仙人づくし 全3冊』『京大絵図』「大江山酒天童子酒えん図」など、古版経(宋版・元版)ほか漢籍だけでなく日本で書写・出版された古版経・絵巻物・古活字本・版本・古文書・古地図・浮世絵といった様々な古典籍の出張買取も承っております。
『国史纂論 全10冊』『北蝦夷図説 全4冊』『百人女郎品定 全2冊』などお手元に気になる品がありましたらお気軽にご相談ください。

物類品騭 物類品騭
書名:物類品騭 全6巻6冊
著者:平賀源内
出版社:柏原屋清右衛門ほか板
発行年:宝暦13年(1764)

分間江戸大絵図
書名:分間江戸大絵図 全
著者:佐脇庄兵衛彫工
出版社:須原屋茂兵衛版
発行年:明和8年(1771)

新よし原仮宅おハ里や彦太郎 抱女花見図
作品名:新よし原仮宅おハ里や彦太郎 抱女花見図 5枚続
絵師:二代目歌川国貞(四代目歌川豊国または二代目歌川国政)
版元:蔦屋吉蔵(蔦吉)

愛書館中川書房は東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県など関東地方を中心に全国各地へ出張買取にお伺いしております(内容・量・地域によっては出張や買取りができない場合があります)。漢籍以外にも様々な分野の古書を出張買取しております。詳しくは取扱分野をご覧ください。
出張買取のご予約は下記の買取専用フリーダイヤルより承っております。お気軽にご相談ください。
【古書出張買取専用フリーダイヤル 0120-489-544】

このページのTOPへこのページのTOPへ

専用フリーダイヤル 0120-489-544

※電話・メール相談の前に必ずこちらからご利用方法をご確認ください。
※一部商品において、お引取り等が出来ない商品もございますことをご了承ください。