巻子本『宋 蘇軾 黄州寒食詩』ほか故宮博物院の名蹟を出張買取

蘇軾は蘇東坡とも呼ばれる北宋時代の書家・詩人・政治家です。文人である父・蘇洵、弟・蘇轍とともに唐宋八大家のひとりに数えられています。
眉州眉山（四川省眉山市東坡区）の出身である蘇軾は22歳のときに弟とともに進士になり、地方官を歴任した跡に中央入りします。しかし、第6代皇帝である神宗の時代に行われた政策に反対したため国政誹謗の罪を着せられて逮捕、黄州（湖北省黄州区）へ左遷されました。
神宗が死去すると旧法党の官僚は要職に就くようになり、蘇軾も50歳のときに中央に復帰し礼部尚書まで昇進します。しかし理にかなった新法は残すべきと考える蘇軾は、新法をすべて廃止しようとする宰相と対立したため党争が起こってしまいます。そして再び新法派が力を持つと蘇軾も恵州（広東省）に左遷され、66歳のときに新旧両党の融和が図られてようやく許されるも帰京の途中に病となり死去しました。

北宋代最高の詩人といわれる蘇軾は、書家としては米芾・黄庭堅・蔡襄とともに宋の四大家と称されています。黄庭堅や米芾の指導的立場であり、彼らの思想にも大きな影響を与えました。
蘇軾は東晋の書家である王羲之と王献之、いわゆる二王を学んだのち、唐代随一の学者・芸術家である顔真卿、『文選』の注釈で有名な李善の子にして行書の名手であった李邕、後周の書家にして「王羲之の再来」とまで称された楊凝式を学びました。蘇軾は他人の書を模倣するのではなく独創性を尊み、そうして生まれた代表作に黄州時代に作られた『赤壁賦』と『黄州寒食詩』があります。
『赤壁賦』は蘇軾が友人と長江沿岸にある赤壁へ赴いたときの舟遊びの楽しさや自然に対する畏怖、人生に対する悲哀が述べられた賦（韻文の一種）です。
『黄州寒食詩』は正式には『行書黄州寒食詩巻』といい、「寒食帖」ともいいます。『赤壁賦』とは一転して黄州時代に身の不遇を嘆いた詩を墨書したもので、二首あるうちの一首目は思索的・空想的、二首目は観察的・具体的な表現が用いられています。後半に行くにつれて文字が大きく、太くなるのが特徴です。蘇軾の詩の後には、蘇軾の弟子にして友人でもある黄庭堅による跋文があり、こちらも高く評価されています。

蘇軾ほか中国の書道・書家に関する古本の買取強化中！

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以前には『中国石刻大観 全39冊』『蘇軾東坡詞』『東坡楽府・稼軒長短句』『顔真卿祭姪文藁』などの書家・書道関係の古本を出張にて買取りさせていただきました。書籍だけでなく『台北・故宮博物院の名蹟』のような巻子本や折帖、拓本などの紙ものなどお手元に気になる品がありましたらお気軽にご相談ください。

【当店取扱商品】

書名：中國の名硯 現代から宋代まで
著者：楠文夫
出版社：美術出版社
発行年：平成17年（2005）

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