出張買取地域：目黒区の古本・古書出張買取なら中川書房

落語『目黒のさんま』でも有名な目黒地区は、東京都の西部に位置します。現在はおしゃれなセレクトショップが立ち並び、閑静な住宅街が広がる目黒区ですが、かつてはほとんどが農村地帯ののどかな地域でした。その様子は『江戸名所図会』にも紹介されています。中でも江戸に近い下目黒村と中目黒村には商店が集まり、庶民の参詣や憩いの場として栄えたのが目黒不動の門前町でした。広津柳浪の『目黒小町』や 正岡子規の『病牀六尺』にはその思い出が描かれています。田山花袋は『新撰名勝地誌（東海道東部）』で、目黒を『東京市南郊の好散策地』として紹介しました。正宗白鳥の『落日』『泥人形』、永井荷風の『大窪だより』『日和下駄』『断腸亭日乗』などにも目黒に関する記述があります。 明治・大正の文学に登場する目黒は緑豊かな郊外として取り上げられていましたが、関東大震災を境に、目黒は駒場や自由が丘など洒落た住宅街として昭和の文学に登場するようになりました。獅子文六の『おじいさん』では、空襲を受けた当時の目黒の様子が描かれています。他にも目黒区の地域が登場する作品では、武田繁太郎の『自由ヶ丘夫人』、鮎川哲也『碑文谷事件』などがあります。

東京都目黒区駒場（京王井の頭線の駒場東大前駅近く）には目黒区立駒場公園があります。緑豊かな敷地内には重要文化財指定の洋館「旧前田侯爵邸」や、柳宗悦らによって創られた「日本民藝館」近代文学に関する総合資料館・専門図書館である「日本近代文学館」があり 目黒区内でも人気の散策スポットとなっています。

「日本近代文学館」は1967年に開館しました。図書や雑誌、名作の原稿も含め120万点の資料を収蔵しています。館内には文学カフェ「BUNDAN COFFEE & BEER」があり、作家が実際に愛した飲み物や作品に登場する料理を再現したメニューを楽しむことができます。芥川龍之介、高村光太郎、菊池寛、与謝野晶子から宮沢賢治に至るまで多くの文士が愛した銀座のブラジルコーヒーや、寺田寅彦の牛乳コーヒー、宮沢賢治の『氷河鼠の毛皮』に登場する紅茶、谷崎潤一郎の炭酸水、堀口大學のシャンパン、中原中也や夏目漱石のビール、太宰治のりんご酒 ゲーテが愛した黒ビール、 ヴェルレーヌの葡萄酒、ゴッホ、モネ、ヴェルレーヌ、ランボー、ロートレック、ゴーギャン、ピカソ、ヘミングウェイなど数々の作家や詩人・芸術家が愛したアブサン…。村上春樹の『ハードボイルド・ワンダーランド』に登場する朝食のセットや『一九二三年 冬』のグラノーラボウル、三角地帯のチーズケーキといったメニューもあります。当店では日本近現代史の資料ほか、文学関係の初版本・原稿・草稿・色紙や専門書など文学関係の古書も出張買取させていただいております。

日本を代表する影絵作家・藤城清治のアトリエは目黒区にあります。藤城清治は影絵劇「銀河鉄道の夜」をはじめとした作品で文化庁芸術祭優秀賞など多数の賞を受賞しました。「暮しの手帖」などへの連載、絵本や画集など出版物のほか「影絵名作アルバム」や天気予報、CMなどテレビにも登場。数千点に及ぶ作品は、国内の6つの美術館に収蔵されています。 当店では美術関係の書籍・版画・リトグラフ・掛軸・絵画など美術関係の古書の出張買取にお伺いしております。

目黒区には他にも、東京都庭園美術館、東京都写真美術館、目黒区美術館、めぐろ歴史資料館、目黒寄生虫館、現代彫刻美術館、宮野古民家自然園、郷さくら美術館など多くの美術館・ギャラリーがあります。